排水処理とは
排水処理とは
各種工場から排出される工場排水に対して、全国の行政機関では水質汚濁などの環境汚染を防ぐため、水質汚濁防止法をはじめ、さまざまな条例によって水質規制を行なっています。各種工場では工場排水に含まれる指定物質が規定値内に収まるようにする排水処理設備を設け、基準値内にした上で排出する必要があります。排水処理設備は、河川や海の汚染を未然に防ぐための大切な設備で、工場排水が基準値をクリアしていなければ操業停止になる場合もあります。
排水処理には有機排水処理と無機排水処理があります。このページではアイエンスの提唱する有機排水処理をご紹介します。
以下のようなお困りはありませんか?
- 処理が安定せず、いつも対応に追われている。
- 汚泥発生量が多くコスト高になっている。
または脱水汚泥が臭い。 - 調整槽や曝気槽で硫化水素などの悪臭が発生している。
- 処理が不安定で目が離せなく人件費がかさむ。
それらを解決できるのが、SS(スラッジ分)も粉砕して、溶解性BODに変換し、生分解を最大限に促進できる散気装置『アクアブラスター』です。
アクアブラスターを使用したシステム『AIS』(アイエンス イノヴェイティヴ システム)で諸問題を大きく改善させていただきます。
処理が安定しない原因
何故処理が安定しないのか?
一番の要因は、空気量が足りていない、効率よく空気が溶解していないということです。
微生物が、酸素による好気呼吸を行うには、最低でも水中に0.6mg/L以上の酸素が必要となり、それを維持するには、これまでの排水処理設計式で計算された空気量では、対応できない場合がほとんどです。
その証拠に、酸素が不足して微生物が嫌気呼吸の代謝を行い硫化水素が発生するという事象が示しています。
汚泥発生量や臭気について
汚泥発生量が設計以上に多かったり、脱水汚泥から悪臭が発生したりするということは、汚泥中に分解されていない有機物が多く含まれているということです。
アクアブラスターは、有機物を微生物が捕食し易いよう細かく粉砕しますので、有機物の絶対量が削減でき、無機率が高くなることで、脱水汚泥から悪臭も発生し難くなります。
硫化水素の発生について
調整槽や曝気槽から硫化水素(ドブ臭)や腐敗臭などの悪臭が発生しているということは、槽内の溶存酸素が足りないため、微生物が苦し紛れに硫酸イオンなどで「嫌気呼吸の代謝」を行うことで発生する現象です。
したがって、しっかりと0.6mg以上の溶存酸素濃度を常時確保することで、臭気を防げるだけでなく、「好気呼吸の代謝」を行うことで、効率の良い分解が促進されるというワケです。
管理者について
昨今、排水処理の管理者不足が大きな問題になっていると大手食品工場さんでも耳にしていますが、AISを導入されたお客様からは、排水専任者を製造ラインに回せた、沈殿槽の定時監視が不要になった、調整槽の浮上油脂回収の必要がなくなったなど、多くの喜びの声が寄せられています。
AISを採用され、排水処理の無人化運転を目標とし、人件費の削減を行われてはいかがでしょうか?
ワンポイント
処理水槽において負荷がかかった際に、微生物によって大量に酸素が消費されますが、微生物が好気呼吸の代謝を行うには、最低でも0.6mg /L以上の溶存酸素濃度(以下DO)が必要です。
したがって、負荷のかかっていないときに、2.0~4.0mg/L程度のDOを維持できる空気量や装置でなければ、最大負荷時にDOが0.6mg/Lを下回ってしまい、処理が追いつかないということに陥ってしまいます。
排水処理施設の施設区分
環境省出典の製造業のおける排水処理施設の区分
活性汚泥(浮遊式)
有機物を水中に浮遊する微生物によって分解する処理方法
活性汚泥(接触酸化)
微生物を礫などの支持担体に付着させて処理する散水ろ床処理
生物的脱窒
硝酸や亜硝酸を窒素ガスにする脱窒菌の作用で汚水中の窒素を除去する方法
凝集沈殿(浮上)
凝集剤を使用して汚染物質の微小な粒子を結合させ、粒子を大きくして沈殿させる方式
活性炭
水中に溶存している有機物などの汚染物質を活性炭で吸着させ除去する方式
ろ過
砂濾過・濾布(化学繊維)、水処理膜(フィルター)などを使用して有機物を分離する方法
オゾン処理
活性汚泥に非常に酸化力のあるオゾンを用いて分解を促進する排水処理方法
油水分離
油と水が混ざり合った液体を分離装置にかけて分離・濃縮させる方式
その他高度処理
イオン交換、電気透析、逆浸透などの高級物理化学処理がある
その他
工場排水処理の方法
工場排水の排水処理方法は、大きく分けて分離方法と分解方法の2種類があり、工場排水の状況に合わせて選択されます。
分離方法
汚濁物質と水を分離させる方法で、水より比重が重い汚濁物質を分離する沈殿処理方式をはじめ、水より比重の軽い汚濁物質を水面に浮かせて分離する浮上処理方式などがあります。
分解方法
工場排水に溶け込んでいる有機物を微生物によって分解してもらう方法で、活性汚泥処理や生物処理方式などがあります。
排水処理装置の種類
工場排水の排水処理装置は、比較的排水処理量が多い施設に適した連続式排水処理装置と排水処理量が少ない施設に適したバッチ式排水処理装置があり、施設の規模に合わせて選択されます。
連続式排水処理装置
工場排水の状況に合わせて処理方法や処理槽を組み合わせることが可能な排水処理装置で、規模の大きな施設に適しています。
バッチ式排水処理装置
一つの処理槽に一定量の汚水を溜めて処理をするコンパクトな排水処理装置で、排水処理量が少ない施設に適しています。
排水処理システムの常識を変えた散気管とは。
排水処理施設において悪臭や余剰汚泥が必要以上に発生している場合は、どんなに立派な設備でも根本的に排水の処理ができていないということです。アイエンスが開発した画期的なディフューザー(散気装置)「アクアブラスター」を採用した排水処理システムなら、悪臭の元となる腐敗臭が発生しなくなり、下水放流では汚泥回収の必要もなくなります。今までの常識からするとありえないと思われる “新しい排水処理のシステム” をお教えいたします。
酸素溶解効率の数値に惑わされてはいけません。
酸素溶解効率の数値は、JISなどの統一計測基準もなく各メーカーが自由な算出方法で出している値です。散気装置は、酸素溶解効率が重要なのではなく、「確実に処理できるかどうか!」が重要です。アイエンスの散気管「アクアブラスター」が選ばれている理由は、上の表からも分かるように「酸素溶解力が高いのに圧力損失が低い」からです。他製品と比較しても最高レベルの酸素溶解力で、微生物を高活性化させ、より確実な排水処理を実現しています。
排水処理の決め手は、散気管の圧力損失と寿命です。
散気管の種類は、ディスク型や円筒型のメンブレン式散気管と、アイエンスの特殊散気管「アクアブラスター」があります。通常散気装置の圧力損失は、150〜700mmAq※ほどありますが、閉塞により圧力損失がさらに高くなっていきます。アクアブラスターの微細気泡発生部の圧力損失は、『ゼロ』なので、『電気代が大幅に削減』できます。 また、メンブレン式散気装置の寿命はせいぜい2年ですが、アクアブラスターの寿命は、実績で『10年以上』で、排水処理施設の維持管理費も削減しています。※水深15〜70cmに相当
他の散気管とはここが違う!処理能力、経済性、そして耐久性。
※AIS(アイエンス・イノベイティヴ・システム):汚泥処理を必要とせず、硫化水素セロを実現するアイエンス独自の排水処理技術
スラッジの粉砕と微生物の活性化を両立しました。
アクアブラスター内部の突起に空気が接触し微細気泡を発生させます。槽内に酸素が行き渡ることで微生物を活性化させ、分解力を最大限に高めます。また、巻き上げられたスラッジも、内部の突起で細かく粉砕されます。活性化した微生物が細かく粉砕されたスラッジに接種することで、分解速度が飛躍的に向上し、排水処理の槽内に溜まる汚泥を効果的に削減します。
[ 悪臭と処理のメカニズム ]
1. 好気呼吸
水中に有機物が入ると微生物が活発に分解をはじめます。ただ、その際には大量の酸素を消費します。
処理良好
2. 嫌気呼吸
急激に酸素を消費すると「酸欠」に陥り、硫酸イオンなどで呼吸を始めます。これを「嫌気呼吸」といい、副生成分として硫化水素等を生成します。
処理不良
3. 嫌気発酵
さらに硫酸イオンも消費すると「嫌気発酵」となり酢酸、酪酸、プロピオン酸などの腐敗ガスを発生させます。
処理不良
4. 好気呼吸
散気管 アクアブラスターで微生物に「好気呼吸」を行わせることで腐敗させずに効率よく処理が行えます。
処理良好
悪臭が出るということは「処理ができていない」という証拠です
アイエンスは悪臭の発生なしを100%保証します。(アイエンス設計時)
排水処理を成功させる秘訣は、余裕をもった設計と省エネ運転。
これまでの設計指針で必要空気量を算出した場合、水槽1m³あたり約20~25L/分程度の空気量となりますが、その空気量では下水より負荷の高い産業排水は処理できず、硫化水素が発生したり余分な汚泥が発生したりするのです。アイエンスは、各事業所の排水処理に応じた空気量を「経験値から逆算した新定義」で計算しているため、硫化水素の発生をなくし好気分解可能な有機物を極限まで減容します。
余裕のある設計にすることで間欠運転を実現