散気管とエアレーション装置は、同じものだと思っている方も多いかもしれません。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。
そこで今回は、散気管の基本情報やエアレーション装置との違いなどについて紹介します。散気管の選び方にも触れているため、どのように選べばいいのか悩んでいる方もぜひ読んでみてください。
散気管の基本情報
まずは散気管がどのようなものなのか、基本情報から見ていきましょう。専門業者であれば知っているかもしれませんが、入社したばかりの人やそのような業界で働いていない方にとっては、散気管がどのようなものなのか知らないかもしれません。もちろん、冒頭で触れた散気管とエアレーション装置の違いについても紹介します。
散気管は意外なところで使われている
散気管とは、液体中にガスや空気を放出する管のこと。サイズや長さはさまざまあり、意外な場所として水生動物が暮らす水槽にも使われています。そのため、初めて散気管という名前を聞いた方でも、一度は見たことあるかもしれません。また、散気管は排水処理施設でも用いられており、工場でも役立っています。
散気管とエアレーション装置に違いはあるの?
散気管とエアレーション装置、一見すると何か違いがあるように思うかもしれません。しかし、実際のところはほぼ同じものです。
そもそも、エアレーションとは、水中に空気を溶かし込むこと。例えば、よく水槽でブクブクと泡が発生していることがありますが、それがエアレーションです。下水処理の場合は曝気と呼ばれることもありますが、散気管も空気を水中に送り込むことによって水を浄化しています。用語としてもほぼ同様に扱われ、エアレーション装置のことを散気装置と呼ぶケースもあります。
散気管が入手できるところって?
個人で使用するサイズの散気管はネットショップで購入できます。具体的には、「モノタロウ」や「楽天市場」など。ポピュラーなネットショップでも購入できるため、誰でも簡単に入手できます。ただし、排水処理施設といった場所で使われるようなサイズの散気管は専門業者でなければ入手できません。
散気管を選ぶ上で知っておくべきこと
散気管はさまざまあるため、どれがいいのか迷うかもしれません。そこで2つ目の項目では、散気管を選ぶ上で知っておくべきポイントを4つピックアップして紹介します。
1. 酸素溶解効率に騙されない
散気管を選ぶ上では酸素溶解効率が高いほど良いものと思うかもしれませんが、そのようなことはありません。なぜなら、日本では酸素溶解効率の測定が統一されていないため。確かに散気管が優れているかどうか判断する上で酸素溶解効率の結果が用いられ、科学的に正しい測定方法もありますが、測定方法が統一されていないがゆえに、公平な視点でチェックできません。
だからこそ、数字だけで判断せず、本当にきちんとした方法で計算されているのかも確認しましょう。確認方法としては、酸素溶解効率の試験レポートを開発元から取り寄せるという方法があります。
2. 目詰まりに注意
散気管の中には目詰まりしないことをアピールしているものがありますが、惑わされないようにしましょう。そもそも、散気管は目詰まりしやすいもの。このことはサイズや穴の数に関わらず、どのような散気管でも当てはまります。そのため、「目詰まりしない!」といったPRをしている散気管を見ても、すぐに購入しないようにしましょう。それだけで購入を決断せず、他の特徴も含めて選ぶことをおすすめします。
3. 設置する際は最低限で
散気管を選ぶ際は、数も大切です。基本的に散気管は最低限の数で問題なく、無駄に設置する必要はありません。このことは排水処理施設でも同様のことであり、むしろ数が多いとコストがかかる上に、水質が悪化してしまう恐れがあります。だからこそ、散気管を購入する際は、最低限必要な数だけにしましょう。
4. 配置する場所も考えよう
散気管は購入する数だけではなく、設置する場所も知っておかなければなりません。設置する場所が悪いと、うまく散気管の効果が発揮されません。特に排水処理施設の場合は気をつけなければならないポイントで、散気管の設置場所が悪いがゆえに十分な処理がされていないケースがいくつもあります。
主なエアレーション装置の散気管って?
エアレーション装置の散気管としてはさまざまなものがありますが、主なものを2つピックアップしてみましょう。
1つ目は、株式会社アイエンスの「アクアブラスター」です。「アクアブラスター」は、他の散気管よりも圧倒的な酸素溶解力を持ちながら、消費電力が少ないという特徴があります。その上、悪臭の発生も防いでくれるため、排水の臭いに悩んでいる方にもおすすめです。
2つ目も同じく株式会社アイエンスによる「グリストレーター」です。「グリストレーター」は循環型エアレーションシステムの散気管で、好気性菌を活性化させることで悪臭を防ぎます。
まとめ
今回は、散気管の基本情報やエアレーション装置との違いなどについて紹介しました。散気管とエアレーション装置はそこまで大きな違いが無いものですが、どちらも縁の下の力持ちとして役立っています。散気管の選び方にも触れたので、ぜひこの記事を参考にしながら理想的な散気管を探してみてはどうでしょうか。