自動車部品などの製造工場や鋳造工場、食品工場などでは、製造過程で排ガスが発生することがあります。有害物質が含まれ悪臭を伴う排ガスの処理に悩むケースは多いでしょう。排ガスを処理しないままだと、近隣住民への影響があるのはもちろん、工場内の環境が悪化することもあるのです。
今回は、排ガスがどのようなトラブルを引き起こすのか、どのような処理方式があるのかについて詳しくご説明します。
排ガスが引き起こす可能性のあるトラブル
排ガスの処理を怠ると、実際どのようなトラブルを引き起こすのでしょうか?ここでは、排ガスが引き起こす可能性があるトラブルについて2つご説明します。
従業員の健康被害
工場などから排出される排ガスにはさまざまな汚染物質が存在し、中には人体に悪影響がある有害物質が含まれていることもあります。汚染物質を含んだ排ガスをそのまま排出すると、最も大きな影響を受けるのは工場内の従業員です。工場の敷地内や建物の中に排ガスが充満し、従業員の健康被害につながることもあるのです。
近隣住民からの苦情
臭気や粉じんなどが含まれる排ガスを外部に排出すると、近隣の住宅や商店などに届く可能性もあります。近隣に住む人たちにすれば、悪臭や粉じんが外の空気に漂うのは大きな問題です。洗濯物に臭いや汚れが付き、何より普通に暮らしていて空気が悪くなりますので、苦情が届くのは当然と言えます。
そして、最悪の場合、有害物質が人体に取り込まれて健康被害を起こすことも考えられます。そのため、近隣住民からの苦情が届く前に、排ガスの対処を行う必要があるでしょう。
スクラバー(排ガス処理装置)を導入して排ガスをしっかり処理しよう
排ガスの処理に用いるのは、スクラバーと呼ばれる装置です。塔のような装置の中に排ガスを通して浄化することから、洗浄塔システムとも呼ばれます。スクラバーには、湿式スクラバーと乾式集塵装置があり、それぞれ特徴が異なります。2種類のスクラバーについて、どのように処理を行うのか、どのような排ガス処理に適しているのかについて、ご説明します。
湿式スクラバー
湿式スクラバーとは、水や薬品で排ガスに含まれる汚染物質を取り除く装置です。排ガスを送風機で集めて水や薬品で洗浄し、きれいになったガスを大気中に放出します。
排ガスに含まれる物質によっては、薬液による中和処理が必要な場合もあります。主に、化学工場や製造工場などで利用されます。
乾式集塵装置
乾式集塵装置とは、活性炭などの吸着剤を使って排ガスの汚染物質を取り除く装置です。除去したい物質に合った吸着剤を選ぶことで、排ガス処理の効果を高めることが可能です。使用した吸着剤のフィルターは、一定期間経過したら交換する必要があります。主に、有機溶剤や悪臭の処理に使われます。
スクラバーを導入するなら「デオライザー」がおすすめ!
デオライザーは水の膜で排ガスの汚染物質を取り除いて浄化する、湿式スクラバーです。その仕組みや導入するメリットについて、ご説明します。
デオライザーが排ガスを処理する仕組み
デオライザーが排ガスを処理する仕組みは次のとおりです。
1. デオライザー内部に排ガスを吸入する
エアレーション用ブロワで排ガスがデオライザー内部に取り込まれます。
2. 臭気や粉じんを水の膜とスクリーンで捕捉する
デオライザーの上部に設置された水の膜とスクリーンを排ガスが通過し、臭気や粉じんが取り除かれます。
3. 浄化されたガスが排出される
臭気や粉じんが取り除かれて浄化されたガスは、外部に排出されます。
デオライザーを導入するメリット
デオライザーを導入するメリットには、以下のようなものがあります。
水膜で臭いとほこりを逃さずキャッチ
デオライザーが採用している水膜の気液接触は100%なので、汚染物質を確実に捕捉することが可能です。そのため、排ガスに含まれる臭いやほこりを逃さずキャッチして、確実に排ガスを浄化処理できるというメリットがあります。
ランニングコストが抑えられる
デオライザーは循環水を使用していますので、水道代を節約できます。また、スクリーンは50cm角でカートリッジ式なので簡単に交換でき、ランニングコストを抑えることにつながるでしょう。
スラッジの発生を抑制できる
デオライザーは、循環水をジェット水流で撹拌するアイエンス独自の技術「アクアブラスター」を採用しています。アクアブラスターにより循環水にスラッジが発生するのを防ぎ、悪臭や汚れの発生を抑えることが可能です。そして、循環水を長持ちさせることにもつながります。
まとめ
排ガスの処理は、近隣住民に迷惑をかけないだけでなく、工場内で働く従業員の健康を守るために重要なことです。
湿式スクラバーの「デオライザー」は、水の膜とスクリーンによって排ガスの汚染物質を確実に取り除くことが可能です。他にも、ランニングコストを低減できる、独自技術の「アクアブラスター」により循環水を長持ちさせることができるというメリットがあります。工場などの排ガス処理にお悩みの方は、ぜひ導入をご検討ください。