汚泥とは?
工場排水に発生する汚泥について解説
汚泥とは
汚泥(おでい)とは、主に水処理や排水処理の過程で生成される固体の残渣です。 具体的には下水や工業廃水を処理する際に、不純物や微生物が集まって沈殿したものを指します。 汚泥は通常水分を多く含んでおり、その成分には有機物、無機物、細菌などが含まれています。
汚泥は処理を行わないと環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な処理が必要です。 一般的には、脱水や乾燥を行い体積を減らしてから焼却したり、埋立てや肥料として再利用されます。最近では汚泥を利用したバイオマスエネルギーの生成や、土壌改良材としての活用も進められています。
このように、汚泥は排水処理の重要な副産物であり、適切な管理のもと再利用することで、環境保護や資源循環に貢献につながります。汚泥処理の技術の向上は、持続可能な社会を実現するための重要な課題の一つです。
目次
汚泥の主な成分
汚泥は有機物・無機物・微生物・水分を由来とする4つの成分に分かれます。
有機物
微生物や植物、動物の残骸などが含まれ、エネルギー源として利用されます。
無機物
土砂や鉱物成分、金属塩などが含まれ、物理的な性質に影響を与えます。
微生物
バクテリアや原生動物などが多く含まれ、汚泥の分解や処理に重要な役割を果たします。
水分
汚泥は通常約90%が水分で、処理の際にはこの水分を減少させることが求められます。これらの成分の比率は、汚泥の発生源や処理方法によって異なります。
汚泥処理の方法
汚泥処理の方法は、汚泥の性質や処理施設の能力に応じて選択されます。
脱水
汚泥から水分を取り除くプロセスで、圧搾や遠心分離機を利用して含水率を低下させます。
乾燥
脱水後の汚泥をさらに加熱して水分を蒸発させ固体化します。太陽光や熱風を使った自然乾燥や、熱風乾燥機を用いる方法があります。
焼却
汚泥を高温で燃焼し有害物質を減少させ、残渣を灰として処理します。エネルギー回収も可能です。
埋立
処理された汚泥を適切な埋立地に埋める方法です。ただし、環境への影響を考慮する必要があります。
資源化
汚泥を肥料や土壌改良材として再利用する方法です。特に有機物が豊富な汚泥は農業に活用されます。
バイオガス化
汚泥を嫌気的環境で分解し、メタンガスを生成する方法です。このガスはエネルギー源として利用されます。
汚泥処理のための最も一般的な技術
これらの技術は、汚泥の特性や処理の目的に応じて組み合わせて使用されることが一般的です。
好気的処理
微生物を利用して有機物を分解する方法で、エアレーションタンク(曝気槽)を用いて酸素を供給し、汚泥を安定化させます。
脱水技術
汚泥の水分を減少させるため圧搾脱水機や遠心分離機が広く使われています。これにより汚泥の体積を小さくし、処理の効率を高めます。
焼却技術
汚泥を高温で燃焼させる方法で、これにより有害物質を減少させエネルギーを回収することができます。焼却後は灰が残りますが、これも適切に処理されます。
嫌気的消化
酸素を必要としない微生物を用いて汚泥を分解し、メタンガスを生成します。このガスは エネルギー源として利用可能です。
製造工程や排水処理施設で発生する悪臭対策
さまざまな対策を組み合わせることで、汚泥処理施設での悪臭を効果的に抑えることが可能です。
しかし、「5: 化学薬品の使用」と「6:封閉施設の設計」は、悪臭原因となる物質の抑制はできておらず、根本的な解決や対策とは言えません。
まずは「1:運転管理の最適化」 による製造〜排水処理現場に至るまでのプロセスで、悪臭原因となる物質ができるだけ発生しないた めの改善策を検討しましょう。
運転管理の最適化
製造設備や排水処理設備での運転条件を最適化する ことで、悪臭の原因となる物質の生成を抑えることができます。排水処理(生物処理)が難しい物質は、製造現場(前段)でできるだけ取り除き、排水処理現場(後段)に負荷を与えない工夫をしましょう。 処理が難しい物質を後段に流していると、処理不良を起こし悪臭が発生する原因となります。
生物処理の利用ビルピット・ソービングアクアブラスター
悪臭を発生させる有機物を分解する微生物を利用、もしくは微生物を活性化させる生物処理技術を導入することで、悪臭の発生を抑えることができます。
脱臭装置の導入デオライザー
水膜式スクラバー(脱臭・排ガス処理装置)や活性炭フィルターや生物脱臭装置などを使用して、悪臭成分を効果的に除去します。これにより、排気される空気の質が改善されます。
定期的な清掃
汚泥の堆積や設備の汚れが悪臭の原因となるため、定期的な清掃を行い衛生的な状態を保ちます。
化学薬品の使用
消臭剤や中和剤を使用して悪臭の原因となる成分を中和する方法です。適切な薬品を選ぶことが重要です。
封閉施設の設計
汚泥処理設備を密閉することで悪臭の発生を抑えることができます。換気システムを設け、臭気を外部に漏れさせないようにします。
ポイント
「4:定期的な清掃」も大切な仕事ですが、アイエンスのビルピット・ソービングに搭載されている排水処理システム用散気装置「アクアブラスター」や、水膜式排ガス処理装置「デオライザー」を導入されたお客様は、 導入前に比べて定期清掃の頻度が激減したとの報告をいただいております。
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