バイオについて その2

さぼりさぼりのブログにも関わらず、結構たくさんの方にご覧いただき、本当に有難うございます。

先日、排水処理設備(除外設備)の申請を行うため、アクアブラスターの排水処理方法の説明に、エンドユーザーさんと某役所さんに行ってまいりました。
ひと通り排水処理のしくみをお話しさせていただきましたが、納入実績が多いことと、硫化水素が発生しないことに非常に興味を示され、「アクアブラスターとバイオだけで(下水道放流までの)処理ができるなど、にわかには信じることが難しいけど、これだけ著名な会社にこれほど多くの設備が入っており、成果もでているので認めざるを得ない。」とおっしゃっていただきました。
そして、最後に、「このバイオは特殊なものですか?」と尋ねられましたが、私がすぐさま、「いいえ!特殊なバイオではありません。正直なところ、バチルス属など通常の浄化菌がいれば大丈夫です。」と答えさせていただきますと、「そうですか!それで余計に安心しました。」とご返答されました。
結局、これまで排水処理ができなかった業者の常套句が、『特殊なバイオ』だったようです。
さらに「あくまでもバイオの種類ではなく、『バイオが好気呼吸の代謝を行っているかどうか』ということが重要なのです」と申しますと、さすがにかなりお詳しい担当者さんのようで、「よくわかりました。これで計画を進めてください。」とGOをかけてくださいました。
アイエンスを立ち上げて10年。これまで辛いことがたくさんありましたが、ようやくアクアブラスターの排水処理が日の目をみるときが近づいてきたのかもです。
この技術は、ブロワさえ回しておけば、あとは自動でバイオを供給していくだけの設備なので、電気さえ確保できれば、メンテナンスが苦手な海外では非常に役に立てるのではないかと考えています。

排水処理システム |

散気管 アクアブラスターの評価

 
最近、嬉しい話がありました。
この春に、化学工場さんにアクアブラスターAL-750を30本納入させていただいたのですが、すこぶる分解能力が高いとご連絡をいただきました。
排水中にフェノールが混入しており、処理不良で困っておられたそうなのですが、アクアブラスター導入後は、その問題も解決したようです。
また、別の化学工場さんでも、この春に十数本納入させていただいたのですが、有り難いことに、今月リピート発注を頂戴いたしました。
スラッジイーターも、昨年末に釣り堀の池浄化と酸素供給を兼ねて十数本納入させていただいたのですが、これも今月リピート発注をいただいております。
売上が上がることもそうですが、少しでも世の中に貢献できたのかと思いますと、本当に嬉しく思います。
これに満足することなく、さらに喜んでいただけるような製品開発を進めていきたいと思いますので、引き続き、ご愛顧いただければ幸いです。
厳しい意見も含めまして、ご意見、ご要望を頂戴できればと思います。

散気管 アクアブラスター, 排水処理システム |

微生物(バイオ)について

 
「この微生物(バイオ)を投入すれば、水がきれいになります!」
というセールストークを聞かれたことはないでしょうか?
そして、その言葉を信じて購入したが、効果が出ているのかどうかさっぱりわからない。
といった方は、少なくないように思われます。
また、効果が出ない場合にクレームをつけても、「微生物の投入量が足らない。」
「微生物が死滅するようなものが混入したのでしょう。」とか、それらしいことを言って、ウヤムヤにされたことはありませんでしょうか?
微生物は、確かに素晴らしい浄化能力を持っていることは事実です。この地球がなんとか成り立っているのも微生物抜きには全く考えられません。
では、なぜうまくいかなかったのかということですが、間違いなく言えることは、
「微生物が酸素を吸って二酸化炭素を吐く、人間と同じ好気呼吸の代謝を行っていますか?」ということなのです。
好気呼吸の代謝は、摂取した栄養分をエネルギーに効率よく転換することができるのですが、酸素を大量に使用してしまうため、酸素の供給源がなければすぐに酸欠になって、人間なら死んでしまうところ、したたかな微生物は、苦し紛れに硫酸イオンや硝酸イオンで呼吸をはじめます。そして、それも消費すると嫌気発酵となってしまうのです。
しかし、それは嫌気呼吸、嫌気発酵の代謝といって、好気呼吸と比較すると約1/20の代謝効率となってしまい、副産物として硫化水素や酸っぱい腐敗臭を発生させてしまうのです。
わかりやすい例でお話しさせていただきますと、ドブ川の水が黒いのは、この硫化水素と土中の鉄分が結びついて硫化鉄が作られ、独特のあの臭いが発生するのです。
そうです。勘のいい方はもうお気づきになったはずです。微生物に酸素を与えて好気呼吸を行ってもらい、有機物をバンバン分解してもらえば腐敗臭が発生せず、高効率で自然の力を最大限に生かしたローコストの処理を行うことができるのです。
そこで、排水処理はもちろんのこと、非常に負荷が高く通常の散気管ではまったく歯が立たない塗装工場のカス池でも、効率よく酸素供給ができるアクアブラスターが誕生したのです。
アクアブラスターが目指しているのは、どんなに汚れた水でも常に溶存酸素量が2.0㎎/ℓ以上となるようにということです。一度お使いいただければ、リピーター率が高いことをお分かりいただけると思います。まずは、『微生物 + 十分な酸素』の効果をご確認ください。
ちなみに、嫌気呼吸、嫌気発酵が悪いように聞こえたかも知れませんが、それはそれで脱窒など人間が汚したものをゆっくりおよび力強く、分子のクサリを引きちぎってくれていることも書き添えておきます。ただ、スピードが遅く、悪臭が出てしまうことが難点なのです。

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環境装置における『まやかし』の言葉 その1「ナノバブル」

アイエンスが他に誇れるものは、排水処理と脱臭に関しましては、「できるのもは、ここまで出来る!」「できないものはこれくらいしか出来ない!」また、「実際に実験をしてみなければわからない!」とはっきり申し上げれるほどの技術的研究と販売実績を積み重ねてきたことではないかと思います。
もちろん、これまでお客様に納入させていただいて、最初からすべて100点なんて装置はありませんでしたが、それなりにお客様にご納得いただくまで誠心誠意尽くし、至らなかった点をフィードバックして改善を繰り返してまいりました。
原発の汚染水処理装置も名だたる大手メーカー製ですが、しょっちゅうトラブルように、プラントはどうしても立ち上げるまでになんらかの問題が発生するので、それをどう迅速に解決し改善するのかが大切だと思っています。
前置きが長くなりましたが、今回は、「ナノバブル」について語ってみたいと思います。
よくお客様から、「おたくのアクアブラスターの気泡は何ミクロンですか?」と聞かれることがありますが、「よくわかりませんが、10ミクロン程度の気泡は発生しているようです。」とお答えするようにしています。
と言いますのも、微細気泡の専門家の講義を受けても、「微細気泡径を証明できるのは、精々10~20ミクロンです。」と東京大学と東京工大の先生が口を揃えておっしゃってました。
ただ、「水道水の蛇口を捻ってもナノレベルの気泡は出ているんですよ。しかし、そのサイズを証明するとなると電子顕微鏡で見ても、それが気泡なのか夾雑物なのか判断がつかないんです。」とのことでした。
しかし、人間はどうしても新技術という言葉に弱いのか、「ナノバブル」「マイクロバブル」と響きのいい言葉を聞くだけで効果があると思い込みやすい傾向があるようです。
アクアブラスターに関しては、滋賀県立大学の先生も「目視でも酸素溶解効率をみても、間違いなくそのレベルの気泡は出ていますよ。」(ホームページの動画でご確認ください。)とおっしゃってくれていますが、言葉で誤魔化したくないのであえてパンフレットやホームページに大きく謳っておりません。
何故なら、冒頭に関連しますように「お客様が困っていることを解決できるかどうか。」「実際に処理ができるのかどうか。」、非常に当たり前のことですが、それを当たり前にできていくらと考えているからです。
ナノバブルやマイクロバブルを発生させたとしても、水の負荷量に対して不足していれば、ほとんど役にたたないのです。また、水を大きく動かして水全体を浄化してあげなければいけないのです。
これから、そのような装置を導入しようと考えておられる方がいらっしゃいましたら、言葉に騙されないようにご注意いただければと思います。
導入事例を元にした詳しい説明が、『理工出版社の塗装技術7月号P76~79』に関連記事を掲載していただいておりますので、ご興味のある方は是非ともご覧ください。
ちょっと偉そうな文章になりましたが、できないことをはじめからわかっていながら、新しい技術言葉を駆使して、商品を売り込もうとする業者が後を絶えず、真面目にやっているメーカーまでそのような目で見られることが多いものですから、ご理解いただき、お許しいただければと存じます。

その他 |

グリストラップの浄化

グリストラップ浄化装置「グリストレーター」が「なぜか」好評で、お客様に喜んでいただいているようなので、ご紹介させていただきます。
どうして「なぜか」と言っているのか申し上げますと、本来、水処理屋の立場から、グリストラップで排水を浄化するなど、もってのほかだと思っており、何度も製作のオファーがあったのですが、2~3年拒み続けておりました。
しかし、あまりにも「でたらめな業者」が多く、それに乗っかって失敗される販売代理店さんが後を絶たないため、ついに重い腰を上げました。
ただし、
①排水処理装置ではない。
②営業時間中は回さない。
③悪臭・害虫予防である。
④水深は30cm以上。
という条件付きならばということで販売することにしました。
そうして、現在で4年ほどになりますが、あまりのリピート率の高さに正直驚いています。
ある販売代理店さんのデータでは、営業終了後に回し始めて、翌朝に停止するまでの間で、かなり油分(ノルマルヘキサン抽出物質)が少なくなっていると報告を受けております。
でも、基本的には、悪臭を防止して、飲食されているお客様に不快な思いをさせず、店員も気持ちよくグリストラップのメンテナンスができる装置とお考えください。
詳しくは、ホームページの資料ダウンロードから、説明資料をダウンロードしてお読みいただければ幸いです。

グリストレーター
排水処理システム, グリストレーター |

塗装カス池浄化について

塗装カス池浄化について

上の写真は、某自動車塗装ラインカス池70m3×4槽、合計で280m3の水槽の第2槽の写真です。
このとき第2槽にアクアブラスターを10本、第3槽に5本、計15本のアクアブラスターを設置して、18.5kwのブロワで浄化を行ったところ、これまでは、1ヵ月間で水交換および清掃を行っておられましたが、設置後は、4~5ヵ月に1回となりました。
また、清掃時のスラッジも粘性はなく、砂状となり、スラッジの絶対量も大幅に減容することに成功しました。
最近では、3年前に自動車部品塗装工場の新設に伴い、設計からアクアブラスターを導入していただいた工場があるのですが、嬉しいことに、海外で新工場を設立するにあたって、そこにも実績のあるアクアブラスターを設置したいとオファーを頂戴しております。
本当に有り難い限りです。
 

循環水処理システム |

アクアブラスター式脱臭機

少風量、高濃度排ガス用の脱臭機の需要がふえてきましたので、 過去に特別注文で製作させていただき好評をいただいている、『アクアブラスター式脱臭機』を本格的に販売していこうと思います。
処理風量は、1~10m3/minですが、アクアブラスター内で50cmほどの水深の水と臭気を接触させるため、デオライザー以上の接触効率を得ることができます。価格は、安価に仕上げておりますので、各代理店様にお尋ね頂ければと思います。
下の写真は、生ゴミの堆肥化装置の排ガスを処理したものですが、水の色から、どれだけ臭気を捕捉しているのかお分かりいただけると思います。

アクアブラスター式脱臭機
アクアブラスター式脱臭機 内部
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塗装ブースでのスラッジイーター失敗談

スラッジイーター誕生秘話では、非常にうまくいったことをご紹介させていただきましたが、それから2年は苦悩の日々でした。そこでうまくいったものですから、何処でもうまくいくだろうと安易な考えで、いい気になってあちこちに営業をかけて回りました。

ところが、スラッジイーターを導入してすぐに、「ブースから泡が溢れてしまった!」などのクレームを頂戴し、一時的に販売を中止してその原因を解明することに注力しました。まずは、塗料の種類から勉強し、どういう種類のものが泡を吹くのか、どういう添加剤を入れた場合に泡が発生するのか、ひとつひとつ実験を行い、傾向を掴むことができ、ようやく再販売に踏み切ることができました。
それからは、ある程度大丈夫とわかっている塗料でも、プレ実験を行ってからお買い上げいただくようにしましたので、徐々に信用を取り戻し、大手塗装材料メーカーさんにOEM供給させていただくまでになりました。

ただ、ひとつ失敗談でも、九州の自動車パーツメーカーさんにスラッジイーターを3ブースに4ユニット、計12ユニットも導入していただき、4か月ほどは無難に動いていたのですが、そのうち一番塗料使用量が多いブースで、「連絡配管が電蝕を起こして2ユニットが止まった」とクレームを頂戴しました。すぐさま駆けつけてみますと、たしかに鋳物のエルボが無残な形になっていました。

ステンレス製に変更することで、問題は解決できたのですが、その不具合が判明したのが、導入して4ヵ月間、周辺住民から臭気の苦情がピタッとなくなっていたそうなのですが、久しぶりに苦情が寄せられたので、装置をチェックしたところ、そのような状態になっていたらしく、循環水の腐敗を止めて腐敗臭が出なくなるということは、お客様に高く評価していただけました。

循環水処理システム |

ゴム製品製造工場での脱臭

兵庫県にあるゴム製品製造工場さんから、近隣苦情で困っていると販売代理店から相談をお受けしたときのお話しをさせていただきます。そこのゴム工場さんでは、長靴を中心に製造されていましたが、ゴム製品の製造過程に加硫工程というものがあり、その際に強い臭いが発生して近隣苦情がきているとのことでした。

ただ、突然のことで予算的に安いものでないということで、バイオデオライザーシリーズでも50~60m3/minの風量であれば、安価で対応できる「スクラブダクト SD-6」を勧めさせていただいたところ、「すぐにでも設置して欲しい」とご依頼をいただいたのですが、臭気を調査する時間的猶予もありませんでした。
そこで私は、「水に溶ける有機物なら確実に捕捉できますが、溶剤といわれるようなVOCガスは、水では除去できないんです!」とご説明させていただいたのですが、「それでも構わないので、取り敢えずひと月以内に設置してください。」ということになり、多少の不安を抱えながらも珍しくぶっつけ本番で設置させていただきました。

設置後、初めて加硫装置を稼働させるときに立ち会わせていただいたのですが、たったの30分で循環タンクの水が肌色に変化し、アクアブラスター(曝気)を止めると水面に粉状の物質がたくさん浮かんできたことから、かなりの確率でガスを洗浄できていることはわかりました。しかし、その時同時に臭気濃度測定を行うべく原ガスと処理ガスのサンプリングを行ったその結果は、臭気濃度50,000→30,000にしか低減できていませんでした。

その結果を見て、販売された代理店さんは、当初不安を隠せない様子でしたが、循環タンクの水を確認していた私は、「多分VOCガスが抜けているのでしょう。VOCガスだけなら揮散されやすいので、まず近隣苦情は収まるはずです。」とかなりの確信をもってお答えさせていただきました。思った通り、それ以来この8月で1年を迎えますが、これまで近隣苦情は一切きていないとのことです。

このように臭気の問題は、数値だけでは捉えられないのですが、まず1次処理として「バイオデオライザー」をご使用いただくことは、ほとんどの脱臭の場合において有効に働くと言えます。

スクラバー デオライザー, 排ガス処理システム |

お陰さまで

お陰さまで、アクアブラスター排水処理システムと脱臭装置バイオデオライザーの売り上げがここにきて順調に伸びてきております。

最近では、各代理店様に非常に可愛がっていただいており、営業もお任せ状態なのですが、納入先でお客様に気に入っていただいているようで、昨日も某自動車メーカー様から、「同業者からアクアブラスターを導入してうまくいったと聞いたんだけど・・・」と商品名を名指しで、導入に向けての問い合わせのお電話を頂戴いたしました。また、バイオデオライザーも大手のメーカー様に指定で入札いただけるまでになりました。

これまで、「こぼればなし」で数々の失敗談も暴露させていただきましたが、苦労の甲斐もあって世間様にようやく認めていただけるようになったのかと思いますと、本当に頭が下がる思いで一杯です。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。

また、これに奢ることなく、技術革新を進め、さらに喜んでいただける新製品の開発を行ってまいります。そして、納入させていただきましたお客様には、末永く誠心誠意フォローさせていただきたく所存でございますので、万一問題がございましたらご遠慮なく苦言を頂戴出来れば幸いに存じます。まだまだ、足りない部分がたくさんある会社ではございますが、引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

暑い日が続いておりますが、皆さまご体調を崩されませんようお祈り申し上げます。

その他 |