ゴム製品製造工場での脱臭

兵庫県にあるゴム製品製造工場さんから、近隣苦情で困っていると販売代理店から相談をお受けしたときのお話しをさせていただきます。そこのゴム工場さんでは、長靴を中心に製造されていましたが、ゴム製品の製造過程に加硫工程というものがあり、その際に強い臭いが発生して近隣苦情がきているとのことでした。

ただ、突然のことで予算的に安いものでないということで、バイオデオライザーシリーズでも50~60m3/minの風量であれば、安価で対応できる「スクラブダクト SD-6」を勧めさせていただいたところ、「すぐにでも設置して欲しい」とご依頼をいただいたのですが、臭気を調査する時間的猶予もありませんでした。
そこで私は、「水に溶ける有機物なら確実に捕捉できますが、溶剤といわれるようなVOCガスは、水では除去できないんです!」とご説明させていただいたのですが、「それでも構わないので、取り敢えずひと月以内に設置してください。」ということになり、多少の不安を抱えながらも珍しくぶっつけ本番で設置させていただきました。

設置後、初めて加硫装置を稼働させるときに立ち会わせていただいたのですが、たったの30分で循環タンクの水が肌色に変化し、アクアブラスター(曝気)を止めると水面に粉状の物質がたくさん浮かんできたことから、かなりの確率でガスを洗浄できていることはわかりました。しかし、その時同時に臭気濃度測定を行うべく原ガスと処理ガスのサンプリングを行ったその結果は、臭気濃度50,000→30,000にしか低減できていませんでした。

その結果を見て、販売された代理店さんは、当初不安を隠せない様子でしたが、循環タンクの水を確認していた私は、「多分VOCガスが抜けているのでしょう。VOCガスだけなら揮散されやすいので、まず近隣苦情は収まるはずです。」とかなりの確信をもってお答えさせていただきました。思った通り、それ以来この8月で1年を迎えますが、これまで近隣苦情は一切きていないとのことです。

このように臭気の問題は、数値だけでは捉えられないのですが、まず1次処理として「バイオデオライザー」をご使用いただくことは、ほとんどの脱臭の場合において有効に働くと言えます。

スクラバー デオライザー, 排ガス処理システム